2016年9月13日火曜日

ズバリ!!解説

ズバリ!!解説シリーズ第13弾


これからの季節は特に注意

“ノロウイルス”をズバリ!!解説




毎年、10月頃になると「ノロウイルイス」に関連したニュースを聞く機会が増えてきます。
この頃になると、発生件数が増えはじめ、冬季に流行を迎える「ノロウイルス」ですが、正しい理解と予防ができればたとえ感染してしまってもエボラ熱ウイルスなどのようにそれほど恐ろしいウイルスではありませんので、まずはノロウイルスの特性を理解しましょう。


ノロウイルスが秋冬に流行する理由

ノロウイルスは、例年秋から冬にかけて流行しますが、ウイルス自体は一年中存在しています。
春夏に感染することもありますが、なぜ秋冬にかけて爆発的に流行するのでしょうか。

「ノロウイルス」はウイルスの中でも比較的小さい部類になります。
小さいウイルスは空気中に漂っている時間が長く、空気が乾燥する季節はさらに長時間漂ってしまいます。
そして、ノロウイルスは寒さに強いため、気温が低くてもウイルスの力は衰えません。
反対に人は寒さによって免疫機能が低下するため、空気が乾燥し気温が下がる秋冬に流行するのです。
また、ノロウイルスは二枚貝の「カキ」を生食すると感染すると言われます。
秋冬に生のカキを食べる機会が増えることも原因の一つかもしれません。





貝とノロウイルスの関係

私たちが普段食べている貝は、アサリ・シジミ・ハマグリ・ホタテ・カキのような二枚貝とサザエ・アワビのような巻き貝があります。巻き貝は海藻を主食としているため、ウイルスの心配はありませんが、二枚貝はプランクトンを食べると同時に多量の海水も飲み込みます。そのとき海水に含まれるウイルスは排出せず、体内に留めてしまう性質があります。アサリやシジミ、ハマグリは加熱して食べることが多いため、加熱の段階でウイルスは死滅します。ホタテを生食する機会はカキよりも多いと思いますが、生で食べている部分は貝柱でウイルスを溜めている内臓を生食することはほとんどありません。しかし、カキについてはウイルスを溜めこんでしまう内臓も含めすべてを生食することが多いため、生のカキを食べるとノロウイルスに感染すると言われています。





感染力が強いノロウイルス

ノロウイルスは体内で悪さをする力はさほど強くありませんが、人から人へうつす力がとても強いため、家庭内や学校、公共の場などでは集団感染を起こします。
ノロウイルスは気温が4℃で32日、20℃でも14日以上は感染する力を失わないと言われるほど生存力が強いウイルスです。
そのため、たとえば道や駅など不特定多数の人が集まる場所で、ノロウイルスが排出され、知らずにその周囲を歩いたり触れたりすれば、接触したところにノロウイルスが付着してしまいます。
触れてしまった手で顔を洗うなどすれば、体内にノロウイルスを侵入させてしまい感染となります。


ノロウイルスの症状

ノロウイルスに感染すると「胃腸炎」を起こし、おう吐・下痢・発熱・腹痛・胃痛などの症状が出ます。症状が出ている期間は1~3日程度ですが、感染しても症状が出ない場合や軽い胃痛程度で済んでしまう人もいます。

ノロウイルスは、感染した人の排泄物に交じって排出されるため、排泄物には直接触れていなくても、空気中に漂ったノロウイルスを吸い込んでしまったり、感染していた人が調理した食品を口にしたりして人から人へ感染していきます。

ノロウイルスに感染したことによって重篤な状態になることはほぼないと言われていますが、高齢者や子供はおう吐したものが気管に詰まって窒息したり、おう吐・下痢を繰り返すことによって脱水症状を起こしたりして亡くなる場合があります。

ノロウイルスに感染した場合、ウイルスを死滅させるため特効薬はありません。したがって、脱水症状を防止するために水分を摂取するなどの対症療法が行われます。
下痢が続くため、下痢止めを服用したいところですが、ノロウイルスは排泄物と一緒に体外へ排出されるので、下痢止めを服用することで体外への排出が遅れ回復が遅くなる場合がありますので使用しないことが望ましいとされています。


ノロウイルスから身を守るには

 ノロウイルスを予防するには、体内にノロウイルスを侵入させないようにすることです。

まず、食品の取り扱いですが、ウイルスは熱に弱いため、加熱処理をしましょう。
加熱する際は中心部までしっかり加熱するようにします。
食材の中心部を85度以上で1分以上加熱します。

次に、ノロウイルスはアルコール性の消毒液に効果はなく、次亜塩素酸ナトリウムが有効となります。次亜塩素酸ナトリウムは、市販されている漂白剤に使われています。漂白剤と500ミリリットルのペットボトルがあれば家庭でも簡単に次亜塩素酸ナトリウムをつくることができます。

ペットボトルのキャップ2杯分の原液を薄めたものが「0.1%次亜塩素酸ナトリウム」、キャップの半分弱を薄めたものが「0.02%次亜塩素酸ナトリウム」となります。
「0.1%次亜塩素酸ナトリウム」は、実際におう吐した場所や排泄物が付着した場所に散布し、「0.02%次亜塩素酸ナトリウム」は付着したと思われる衣類や手すりの消毒に使用します。薄めたとは言え、漂白剤ですので次亜塩素酸ナトリウムで手などを消毒しないでください。

ノロウイルスは生存力が非常に強いため、アルコールや石鹸などでは死滅しませんが、手洗いをすることで洗い流すことは可能です。
必ずこまめに手洗いをし、感染しないよう心がけましょう。





ズバリ!!

~ノロウイルスの予防は加熱処理と次亜塩素酸ナトリウムによる消毒~


次回は「こちらも流行期を迎える“インフルエンザ”」を
ズバリ!!解説します。

0 件のコメント:

コメントを投稿