『ズバリ!!解説』シリーズ第3弾。
「レビー小体型認知症」をズバリ!!解説
近年、注目されている認知症に「レビー小体型」という認知症があります。
今から約40年前に精神科医である小阪憲司先生によって発見され、
世界中で注目を集めるようになりました。
現在、日本では約50万人の患者がおり、
「アルツハイマー病」に次いで多い認知症となっています。
「アルツハイマー病」との大きな違いは、
主症状に「幻視」がみられることで。
「幻視」は「幻覚」の一種で、
実際には存在していないものが見えてしまいます。
「レビー小体型認知症」による「幻視」は鮮明で、
「自分の布団に誰か寝ている」などと本人にはハッキリと見えています。
このような「幻視」が原因で「妄想」に繋がり、
異常とも思える行動をすることがあります。
例えば、
「小さな子が家に来て、私に危害を与えようとしている」と言うことがあります。
「小さな子」というのは実際には存在しない「幻視」であり、
「危害を与えられる」というのは「妄想」となります。
このことによって、
「夜が怖くて眠れない」ため昼夜逆転状態になることもあり、
「一人でいるのが怖い」と人を求めて歩き回ることがあります。
一見すると奇妙な光景ですが、
本人には「幻視」「妄想」という感覚はなく、
「実際に起きている現実」です。
介護する側は「幻視」「妄想」ということにとらわれず、
まずはその人に起きている「現実」を理解することが大事になってきます。
また、「レビー小体型認知症」は幻視や妄想などの精神的な症状だけではなく、
手足の震えやこわばり、
動作がゆっくりになるなどの身体的な症状も現れます。
これは「パーキンソン病」という病気の症状と同様です。
「パーキンソン病」は脳内の「ドパミン」という神経伝達物質が減少してしまうことにより、
運動の指令(神経伝達)がうまくいかず体の動きが不自由になります。
異常なたんぱく質が神経細胞に溜まったものが「レビー小体」で、
「レビー小体」が脳の「脳幹」という場所に現れると「パーキンソン病」となり、
大脳皮質全体に広がって現れると「レビー小体型認知症」となります。
なぜ「レビー小体」ができてしまうかということについては
未だ詳しくは分かっていません。
昨年、認知症の治療薬である「アリセプト」というお薬が
「レビー小体型認知症に効果がある」ということが発表され、
世界で初めて「レビー小体型認知症」の治療薬となりました。
ズバリ!!
レビー小体型認知症の「幻視」「妄想」は、
本人にとって「現実」である
次回は、「その他の認知症」をズバリ!!解説します。
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