2016年6月12日日曜日

ズバリ!!解説

ズバリ!!解説シリーズ第10弾


こんなにあるの?

「高齢者入居系施設‐①」をズバリ!!解説



介護施設といえば真っ先に思い浮かぶ「老人ホーム」。

生活の場を自宅から施設へ移し、施設で介護をうけることができます。

日本で老人ホームが誕生したのは明治28年、日清戦争が終戦した年です。

当時は「養老院」と呼ばれ、介護が目的ではなく、身寄りのない人や生活が困窮している人を収容する救済施設としての役割が強かったようです。
そして、戦後となり高度経済成長期を迎えると高齢者の健康や安定した生活を目指す「老人福祉法」が制定され、収入や家庭環境、体の状態に合わせて「特別養護老人ホーム」「養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」の3つに分かれ、施設を選べるようになりました。昭和50年代に入ると施設が普及し、さまざまな特徴をもった入居施設が誕生していきます。
今回は代表的な老人ホームをズバリ!!解説します。


事情により家庭で生活できない人を対象にした「養護老人ホーム」

養護老人ホームは、65歳以上で1人暮らしを続けていくことが難しくなった人や経済的に困窮している人、虐待を受けている人など、明らかに家庭で生活することが難しい人を対象にした施設です。

他の施設との違いは、入居するにあたり市区町村の措置が必要になるという点です。

費用は、個人の年金などの収入から医療費や社会保険料などの必要経費を差し引いた金額を階層区分に当てはめるため、収入に応じて負担額が変わります。入居の際に必要な費用はありません。


常に介護が必要な人が入居できる「特別養護老人ホーム」

特別養護老人ホームは、「特養」とも呼ばれ知名度の高い老人ホームです。介護保険法では「介護老人福祉施設」という名称で、65歳以上の常時介護が必要な人で在宅での生活が困難な人を対象にしています。

ここでは、施設の職員により食事や入浴、排泄などの日常介護や機能訓練、健康管理等が行われます。

常時介護が必要な人を対象としているため、入居には介護度等の条件があります。

入居の際に必要な費用はなく、ひと月の費用は居室の整備代や食費、日常生活費を負担することになりますが、一定の所得に満たない人は減額の対象となる場合もあります。また、居室のタイプが4種類あり、「多床室」「従来型個室」「ユニット型準個室」「ユニット型個室」の順番で賃料が高くなっていきます。


定員を少人数にした小さな特養地域密着型特別養護老人ホーム


特別養護老人ホームとの違いは、定員が29名以下になっていることです。

少人数にすることでより家庭的な雰囲気のもとで介護を受けることができます。

また、施設を指定・指導する権限が市町村であるため、地域の特性や地域との関わりを重視した運営が求められています。

費用負担の考え方は特別養護老人ホームとほぼ同じです。


家庭への復帰を目指す「介護老人保健施設

介護老人保健施設は「老健」とも呼ばれ、介護を必要としている人が家庭への復帰を目指すため、医師による医学的な管理のもとで看護と介護、リハビリが行われます。

病院は病気を治療する施設であり、治療を終えると退院しなくてはなりませんが、リハビリを含めもう少し医療的な管理が必要な場合などに入居することができます。

しかし、家庭への復帰が目的のため3ヶ月ごとに入居を継続する必要があるかを判定され、必要がないと判断された場合は退居しなくてはなりません。

入居にかかる費用はありませんが、ひと月にかかる費用は特別養護老人ホームより少し高めに設定されています。


長期にわたる療養が必要な人が対象の「介護療養型医療施設

慢性的な病気により、長期にわたって療養が必要な人へ医療、介護を行う医療施設です。病状は安定しているものの家庭での生活が難しい人へ食事や入浴、排泄などの介護とリハビリなどが行われます。

病状が安定し、家庭や他の施設での生活ができるようになると退居となる場合もありますが、特別養護老人ホームや介護老人保健施設よりも医療や介護の必要度が高い人を対象としています。

医療的な分野が専門のため、レクリエーションなどはほとんど行われず、洗濯や掃除などを行わない施設もあります。

入居の際に必要な費用はありませんが、ひと月にかかる費用は介護老人保健施設より少し高めに設定されています。





ズバリ!!
~入居系施設は「介護型」「医療型」の2つに大別~

次回は有料老人ホームを中心とした

「こんなにあるの?『高齢者入所系施設‐②』」をズバリ!!解説します。


0 件のコメント:

コメントを投稿